イソフラボンと不正出血の関係
イソフラボンには女性ホルモンと似た生理作用があります。そのため、イソフラボンを過剰に摂取するとホルモンバランスが乱れる可能性があり、不正出血が起こった事例も報告されています。
通常の食事でイソフラボンの過剰摂取が起こる心配はありませんが、サプリメントなどを使用する場合は過剰摂取を防ぐために、製品に記載されている摂取目安量を守ることが大切です。
イソフラボンの過剰摂取で不正出血が起こった事例が報告されている
不正出血は、ホルモンバランスの異常やさまざまな病気により、月経以外で性器から出血することをいいます。
稀なケースですが、イソフラボンを過剰摂取した結果、ホルモンバランスが乱れて不正出血が起こった事例があります。
日本人の64歳の女性が、イソフラボンのサプリメントや大豆抽出タンパク製品を数年間大量に摂取したところ、乳房の張り・不正出血・子宮筋腫などの症状が起こったことが報告されています。
イソフラボンにはエストロゲン様作用がある
イソフラボンの過剰摂取が不正出血の原因になるのは、イソフラボンに女性ホルモンのエストロゲンと似た生理作用があるためです。
イソフラボンの分子構造はエストロゲンとよく似ており、体内でエストロゲンと似た生理作用を発揮します。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
イソフラボンを過剰摂取すると、エストロゲン様作用によってホルモンバランスが乱れる場合があり、不正出血の原因になります。
過剰摂取しなければ不正出血のリスクは極めて低い
イソフラボンは不正出血を引き起こす可能性がありますが、極めて稀なケースであり、過剰摂取しなければ心配ありません。
イソフラボンのエストロゲン様作用は弱い
イソフラボンにはエストロゲン様作用がありますが、その作用はエストロゲンの1,000分の1以下の非常に弱いものです。そのため、過剰に摂取しなければ不正出血の原因にはなりません。
エストロゲン様作用がある健康食品として「プエラリア」が知られています。プエラリアの摂取によって不正出血が起こった事例が多数報告されており、厚生労働省による注意喚起も行われています。
大豆イソフラボンなどのエストロゲン様作用はプエラリアに比べて非常に弱く、不正出血の事例報告もごく少数です。
多くの事例で安全性が確認されている
イソフラボンを投与する実験は数多く行われており、イソフラボンの安全性が確認されています。
90名の女性を対象として、更年期障害に対するホルモン療法とイソフラボンの効果を調べる実験が行われました。その実験では、ホルモン療法によって不正出血が発生したのに対して、イソフラボンを投与したグループでは不正出血が起こらなかったことが報告されています。
また、105名の女性を対象として1年以上イソフラボンサプリを摂取させた実験においても、不正出血や子宮筋腫などの悪影響が認められなかったことが報告されています。
不正出血の予防に役立つ効果がある
イソフラボンには健康に役立つ多くの効果があり、その中には不正出血の予防に役立つ効果もあります。
・ストレス軽減
ストレスが原因でホルモンバランスが乱れ、不正出血が起こる場合があります。
イソフラボンにはストレスを軽減する効果があり、ストレスによる不正出血を予防します。
・ホルモンバランスを整える
イソフラボンにはエストロゲンの働きを強めるだけでなく、エストロゲンが過剰な場合はその作用を弱める働きもあります。イソフラボンは、適切に摂取すればホルモンバランスの調整に役立ちます。
イソフラボンは、ホルモンバランスを整えて不正出血を防ぎます。
イソフラボンサプリを使用する場合は摂取量に注意
以上のように、イソフラボンは不正出血の原因となる場合がありますが、過剰摂取しなければそのリスクは極めて低く、過度に心配する必要はありません。
イソフラボンは大豆製品などにも含まれていますが、日常の食事で過剰摂取になる心配はほとんどありません。健康への悪影響は、イソフラボンを配合したサプリなどを過剰摂取した場合に起こっています。
イソフラボンサプリを使用する際には、過剰摂取にならないよう製品に記載されている摂取目安量をきちんと守ることが大切です。
不正出血などの健康への悪影響を防ぐために、イソフラボンサプリの摂取量には十分に注意しましょう。
万が一不正出血などの体調不良が起こった場合は、すぐに摂取を中断して医師の診察を受けるようにしてください。