イソフラボンの別名「植物性エストロゲン」
イソフラボンは「植物性エストロゲン」とも呼ばれます。
エストロゲンは女性ホルモンのひとつで、植物性エストロゲンは体内でエストロゲンと似た働きをする植物成分のことです。
植物性エストロゲンであるイソフラボンは、エストロゲンの働きを補助してさまざまな健康効果と美容効果を身体にもたらします。
イソフラボンは「植物性エストロゲン」とも呼ばれる
イソフラボンには「植物性エストロゲン」という別名があります。
イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に含まれる成分であり、エストロゲンに似た生理作用をもつことから植物性エストロゲンと呼ばれます。
・「フィトエストロゲン」とも呼ばれる
植物性エストロゲンは、「フィトエストロゲン」「ファイトエストロゲン」ともいいます。
「フィト(Phyto)」は「植物」を意味する接頭語であり、これらは全く同じ意味です。
・植物性エストロゲンには多くの種類がある
植物性エストロゲンは、イソフラボンのみを指す言葉ではなく、エストロゲンに似た働きをする植物成分全般を意味します。
植物性エストロゲンには、ゴマなどに含まれるリグナンや、プエラリアに含まれるミロエステロール、野菜や果物に多いフラボンなど、多くの種類があります。
大豆から手軽に摂取できるイソフラボンは、植物性エストロゲンの代表例です。
・植物は草食動物の繁殖を抑えるために植物性エストロゲンを生成する
植物が植物性エストロゲンを生成するのは、草食動物の過剰繁殖を抑制するためだと考えられています。
エストロゲンは女性ホルモンであり、それに似た働きをする植物性エストロゲンを草食動物が大量に摂取すると、ホルモンバランスが乱れて生殖能力が低下します。大豆イソフラボンのエストロゲン様作用は、1940年代にマメ科の牧草を摂取したヒツジに不妊現象が起こり、その原因を調べる過程で確認されました。
植物は、イソフラボンなどの植物性エストロゲンを生成することで自分たちを食べる草食動物の繁殖を抑制し、種の保存を図っています。
なお、生殖能力に悪影響を及ぼすのは草食動物のように大量に摂取した場合であり、人間の場合はサプリメントなどを過剰摂取しなければ全く問題ありません。
イソフラボンはエストロゲン様作用によって健康と美容に役立つ
イソフラボンの分子構造はエストロゲンとよく似ており、体内でエストロゲンと似た働きをします。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
エストロゲンにはさまざまな生理作用があり、美しい肌や髪・女性らしい身体・丈夫な骨の形成に役立ちます。
また、エストロゲンには脂肪の代謝を促進して血液中のコレステロールを減少させる作用があり、高血圧・脂質異常症・動脈硬化などの生活習慣病を予防します。
植物性エストロゲンであるイソフラボンは、そうしたエストロゲンの作用を補助して身体の健康と美容に役立ちます。
植物性エストロゲンの過剰摂取に注意
イソフラボンなどの植物性エストロゲンの過剰摂取には注意が必要です。
植物性エストロゲンには女性ホルモンに似た生理作用があり、過剰摂取するとホルモンバランスの乱れの原因になります。
・プエラリアによる健康被害の報告が多い
植物性エストロゲンを多く含む健康食品に、プエラリアがあります。
プエラリアのエストロゲン様作用は非常に強く、大豆イソフラボンの約1,000倍から10,000倍ともいわれています。そのため、ホルモンバランスの乱れの原因になりやすく、プエラリアの摂取で下痢・嘔吐・不正出血・腹痛などの体調不良が起こった事例が多数報告されています。
イソフラボンのエストロゲン様作用はプエラリアや本物のエストロゲンに比べると非常に弱いものですが、過剰摂取すると体調悪化の原因になる場合があります。
・イソフラボンサプリは摂取目安量を守る
通常の食事からイソフラボンを摂取する場合は、過剰摂取の心配はありません。
しかし、イソフラボンサプリは成分が濃縮されているため、大量に飲むと過剰摂取になる恐れがあります。
イソフラボンサプリを利用する際は、製品に記載されている摂取目安量を守ることが大切です。
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植物性エストロゲンのイソフラボンを継続的に摂取
植物性エストロゲンと呼ばれるイソフラボンは、エストロゲン様作用によって身体の健康と美容に役立ちます。しかし、イソフラボンには水に溶けやすい性質があり、短期間で尿と一緒に体外に排出されてしまいます。
イソフラボンの効果を効率的に得るためには、毎日継続して摂取することが大切です。
イソフラボンを毎日の生活に取り入れて、健康と美容に役立ててみることをおすすめします。