プエラリアとイソフラボンの違いと効果
女性向けのサプリメントに配合されている成分に、プエラリアとイソフラボンがあります。両者には同じような作用があり、違いが分かりにくいかもしれません。
プエラリアは亜熱帯地域に自生するマメ科の植物で、イソフラボンは大豆に多く含まれるポリフェノールの一種です。
両者には女性ホルモンのエストロゲンに似た生理作用があり、特にプエラリアはその作用が強力です。
イソフラボンはポリフェノールの一種
イソフラボンは、大豆などのマメ科の植物に含まれるポリフェノールの一種です。ポリフェノールは植物の苦味・渋味・色素成分で、さまざまな健康・美容効果を身体にもたらします。
イソフラボンの代表的な作用のひとつに、女性ホルモンの働きを補助する作用があります。
イソフラボンの分子構造は女性ホルモンのエストロゲンとよく似ており、体内でエストロゲンと同じような働きをします。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
イソフラボンは、エストロゲン様作用によって身体の健康と美容に役立ちます。
プエラリアはマメ科の植物
プエラリアは、タイやミャンマーなどの亜熱帯地域の森林に自生するマメ科クズ属の植物です。プエラリアにはいくつかの種類があり、根の白い種類は「ガウクルア」とも呼ばれます。
エラリアにはイソフラボンが含まれている
プエラリアは大豆と同じマメ科の植物であり、プエラリアにもイソフラボンが豊富に含まれています。その含有量は、大豆のほぼ40倍に達します。
プエラリアには、大豆に含まれているゲニステインやダイゼインのほか、クズ属の植物に含まれるプエラリンなどのイソフラボンが含まれています。
プエラリアはエストロゲン様作用が強力
プエラリアには、強力なエストロゲン様作用があるミロエストロールやデオキシミロエストロールといった成分も含まれています。
そうした成分の働きやイソフラボンの含有量の多さにより、プエラリアは非常に強いエストロゲン様作用を発揮します。その強さは、大豆イソフラボンの約1,000倍から10,000倍ともいわれています。
強すぎる作用による健康被害の報告もある
プエラリアはエストロゲン様作用が非常に強く、摂取量や体質によってはホルモンバランスの乱れによる体調不良を引き起こす場合があります。
プエラリアを含むサプリメントの摂取により、不正出血・腹痛・下痢・嘔吐・皮膚障害・月経不順などの健康被害が起こったケースが報告されています。
プエラリアのエストロゲン様作用は美容と健康に効果的ですが、摂取する際には十分に注意する必要があります。
プエラリアとイソフラボンの効果
プエラリアとイソフラボンは、エストロゲンの働きを補助して美容と健康に役立ちます。
両者に共通する効果のうち、代表的なものをご紹介します。
・バストアップ効果
エストロゲンには女性らしい身体を形成する作用があり、エストロゲン様作用のあるプエラリアとイソフラボンはバストアップに効果的な成分として知られています。
・美肌効果
エストロゲンには肌にハリと潤いを与える作用があり、プエラリアとイソフラボンはその作用を補助して美しい肌の形成に役立ちます。
・更年期障害の症状改善
更年期障害は、加齢によってエストロゲンの分泌量が急激に減少することで起こります。
プエラリアとイソフラボンにはエストロゲンの働きを補助する作用があり、更年期障害の症状改善にとても効果的です。
更年期障害に対するイソフラボンの効果について詳しくはこちら>>
・骨粗しょう症の予防
エストロゲンは骨の形成にも深く関与しており、エストロゲンが減少する更年期以降には、骨がもろくなる骨粗しょう症の発症率が急上昇します。
プエラリアとイソフラボンは、エストロゲン様作用によって骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防に役立ちます。
骨粗しょう症を予防するイソフラボンの効果について詳しくはこちら>>
プエラリアとイソフラボンを利用する際は過剰摂取に注意
以上のように、プエラリアとイソフラボンは健康と美容に効果的です。
ただし、両者は女性ホルモンと似た働きをするため、摂取量や体質によってはホルモンバランスの乱れの原因になります。
プエラリアは健康被害の報告例が多く、特に注意が必要です。イソフラボンは報告例が少なめですが、過剰摂取によって悪影響が発生したケースが複数報告されています。
プエラリアやイソフラボン配合のサプリメントを利用する場合は、製品に記載されている注意事項をよく読み、摂取目安量をしっかりと守ることが大切です。
サプリメントの摂取によって体調不良が起こった場合は、すぐに摂取を中止して医師の診察を受けるようにしてください。