イソフラボンの一種ゲニスチンとは?
イソフラボンにはいくつかの種類があり、そのうちのひとつにゲニスチンがあります。
ゲニスチンは、糖が付属した「グリコシド型」イソフラボンの一種です。ゲニスチンが腸内細菌の働きで代謝されると、高い健康効果と美容効果のあるゲニステインが産生されます。
ゲニスチンは大豆製品に多く含まれていますが、吸収率がやや低いため、効率的に効果を得たい場合はゲニステインが配合されているサプリメントの利用がおすすめです。
ゲニスチンはゲニステインの配糖体
糖と糖以外の化合物が結合したものを配糖体といい、配糖体はグリコシドとも呼ばれます。また、配糖体を構成する糖以外の部分はアグリコンと呼ばれます。
イソフラボンは、糖が付属している「グリコシド型」と、糖が外れた「アグリコン型」の2つに大きく分類されます。
ゲニスチンは、グリコシド型イソフラボンのひとつで、アグリコン型イソフラボンの一種であるゲニステインに糖が付属した配糖体です。
ゲニスチンはそのままでは吸収されない
ゲニスチンなどのグリコシド型イソフラボンは、糖が付属しているため分子量が大きく、そのままの形では体内に吸収されません。
口から摂取したゲニスチンは、腸内細菌の働きによって糖が分解され、アグリコン型のゲニステインに代謝されることで体内に吸収されます。
・ゲニスチンは吸収効率が悪い
ゲニスチンは、腸内細菌の働きで代謝されてはじめて体内に吸収されるため、吸収効率があまりよくありません。ゲニスチンの吸収率は約2割といわれており、吸収速度も遅く6-8時間程度かかります。
また、腸内細菌の働きが悪いと代謝効率が低下するため、腸内環境が悪化していると体内に吸収されにくくなります。
・ゲニステインは速やかに吸収される
それに対してゲニスチンから糖が外れたゲニステインは、腸内細菌の働きに左右されず、胃や腸から速やかに吸収されます。ゲニステインなどのアグリコン型イソフラボンの吸収率は、ゲニスチンなどのグリコシド型の約3倍といわれており、体内への吸収も2時間程度で行われます。
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、グリコシド型ではなくアグリコン型のイソフラボンを摂取するのがおすすめです。
大豆製品に多く含まれるゲニスチン
イソフラボンはマメ科の植物に含まれるポリフェノールであり、ゲニスチンは大豆に多く含まれています。
大豆は、部位によってイソフラボンの含有比率が異なります。ほかのイソフラボンは胚芽に多く含まれていますが、ゲニスチンは胚芽にはあまり含まれていません。大豆胚芽から抽出したイソフラボンには、ゲニスチンが1割程度しか含まれていません。
それに対して丸大豆から抽出したイソフラボンは、約半分をゲニスチンが占めています。
ゲニスチンの代謝物であるゲニステインは健康と美容に効果的
ゲニスチンは、腸内細菌の働きによってゲニステインに変換され、体内に吸収されます。
ゲニステインには高い健康効果と美容効果があることが、研究で確認されています。
・エストロゲン様作用が強い
イソフラボンの分子構造は女性ホルモンのエストロゲンとよく似ており、体内でエストロゲンと同じような働きをします。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
ゲニステインは、ほかのイソフラボンよりもエストロゲン様作用が強力です。
ゲニステインはエストロゲンの働きを補助して、美肌・美髪・更年期障害の症状改善・骨粗しょう症の予防などに役立ちます。
・美容と健康に役立つ
ゲニステインには、高い美白効果や糖尿病の予防効果、アトピー性皮膚炎の改善効果があることも、研究で確認されています。
ゲニスチンを摂取すると、腸内細菌によってゲニステインに変換され、以上のようなさまざまな美容・健康効果が得られます。
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合はサプリメントがおすすめ
ゲニスチンなどのグリコシド型イソフラボンの摂取は、身体の健康と美容に役立ちます。しかし、吸収率が2割程度と低めなため、アグリコン型イソフラボンの摂取に比べて効率的ではありません。
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、ゲニステインなどのアグリコン型イソフラボンが配合されているサプリメントを利用するのがおすすめです。
アグリコン型は吸収率が良く、イソフラボンの高い効果を効率的に得ることができます。
アグリコン型イソフラボン配合のサプリメントを毎日の生活に取り入れて、身体の健康と美容に役立ててみることをおすすめします。