アグリコン型イソフラボンとは?
イソフラボンは、「アグリコン型」と「グリコシド型」の2種類に分類されます。
アグリコン型イソフラボンは分子量が小さく、体内に吸収されやすいという特徴があります。
アグリコン型イソフラボンは大豆製品にはあまり含まれておらず、効率的に摂取したい場合はサプリメントを利用するのがおすすめです。
イソフラボンにはアグリコン型とグリコシド型の2種類がある
イソフラボンにはいくつかの種類があり、アグリコン型とグリコシド型の2つに大きく分けられます。
・グリコシド型とアグリコン型の違い
糖とほかの物質との化合物を配糖体といい、配糖体はグリコシドとも呼ばれます。
グリコシド型イソフラボンとは、イソフラボンの分子に糖が付属している配糖体の状態のものをいいます。
また、配糖体を構成する糖以外の部分はアグリコンと呼ばれます。
アグリコン型イソフラボンは、グリコシド型イソフラボンから糖が外れてアグリコンのみの状態になったものをいいます。
・体内に吸収されるイソフラボンはアグリコン型
イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に含まれていますが、その多くはグリコシド型です。グリコシド型イソフラボンは分子量が大きく、そのままでは体内に吸収されません。
グリコシド型は、腸内細菌の働きによって糖が分解され、分子量の小さいアグリコン型に変換されることではじめて体内に吸収されます。
アグリコン型イソフラボンの種類
アグリコン型イソフラボンには、「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」の3種類があります。
これらのアグリコン型イソフラボンに糖が付属したものは、「ダイジン」「ゲニスチン」「グリシチン」と呼ばれます。
ダイゼイン・ゲニステイン・グリシテインには共通する作用が多いですが、その作用の強さには違いがあります。
例えば、イソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンを補助する働きがあり、その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。エストロゲン様作用の強さは種類によって異なり、ゲニステインは強く、ダイゼインは弱めで、グリシテインはほとんどありません。
また、それぞれのアグリコン型イソフラボンには特徴的な生理作用があることが、研究で確認されています。
アグリコン型は効率的に体内に吸収される
グリコシド型イソフラボンは、腸内細菌によって代謝されないと体内に吸収されません。
それに対してアグリコン型は分子量が小さく、胃や腸から速やかに吸収されます。
アグリコン型の吸収率はグリコシド型の約3倍といわれており、摂取してから2時間程度で吸収のピークを迎えます。
それに対してグリコシド型イソフラボンは吸収効率が悪く、2割程度しか体内に吸収されません。吸収速度も遅く、摂取してから吸収されるまで6-8時間程度必要です。
効率的にイソフラボンの効果を得たい場合は、アグリコン型の摂取がおすすめです。
大豆製品にはアグリコン型があまり含まれていない
イソフラボンは大豆製品に多く含まれていますが、そのほとんどはグリコシド型です。
豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品に含まれるアグリコン型の比率は5%程度です。
アグリコン型を多く含む大豆製品は、味噌や醤油といった発酵食品に限られます。例えば、味噌に含まれるイソフラボンは6割以上がアグリコン型です。これは、発酵の過程でグリコシド型に付属している糖が分解されるためです。
しかし、味噌や醤油には塩分が多く、イソフラボンが目的でそれらを多く摂取するのは現実的ではありません。
なお、納豆も発酵食品ですが、納豆菌の発酵では糖を完全には分解できません。そのため、納豆に含まれるアグリコン型の比率は、ほかの大豆製品とあまり変わりありません。
イソフラボンの効率的な摂取にはサプリメントがおすすめ
アグリコン型イソフラボンは吸収率が高く、効率的にイソフラボンの効果を得ることができます。しかし、豆腐などの一般的な大豆製品には、アグリコン型はあまり含まれていません。
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、アグリコン型イソフラボンが配合されているサプリメントを利用するのが便利です。
サプリメントを利用すれば、吸収率の高いアグリコン型イソフラボンを手軽に摂取できます。
ただし、サプリメントには成分が濃縮された状態で配合されているため、過剰摂取にならないよう製品に記載されている摂取量をきちんと守るようにしましょう。
アグリコン型イソフラボン配合のサプリメントを毎日の生活に取り入れて、身体の健康と美容に役立ててみることをおすすめします。