リグナンとイソフラボンは何が違う？

高い健康効果と美容効果のある成分に、リグナンとイソフラボンがあります。
両者はポリフェノールの一種ですが、含まれている植物が異なります。また、リグナンの摂取方法はサプリメントが中心ですが、イソフラボンは食品からも摂取することができ、化粧品にも広く利用されています。
両者には共通する効果が多く、相乗効果が得られるため、一緒に配合したサプリメントが販売されています。

リグナンはゴマや亜麻に含まれるポリフェノール

リグナンは、植物の苦味・渋味・色素成分であるポリフェノールの一種です。

・ゴマや亜麻に多く含まれている
リグナンは亜麻やゴマに多く含まれています。代表的なリグナンには、ゴマに含まれているセサミンや、亜麻に含まれているセコイソラリシレシノールジグルコシド(SDG)があります。セサミンは、高い生活習慣病の予防効果があることで人気の健康成分です。

・リグナンは植物性エストロゲン
リグナンの分子構造は女性ホルモンのエストロゲンとよく似ており、体内でエストロゲンと似た生理作用を発揮します。そうした作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
また、エストロゲン様作用をもつ植物成分は「植物性エストロゲン」と呼ばれます。

・強い抗酸化作用がある
リグナンには、活性酸素を中和する強い抗酸化作用があります。
活性酸素は非常に強い酸化力をもつ物質で、日々の呼吸によって体内で発生します。活性酸素は身体に必要な成分ですが、体内で過剰になると身体に悪影響を及ぼし、老化や生活習慣病の原因になります。
リグナンは体内の活性酸素を減少させて、健康と美容に役立ちます。

イソフラボンはマメ科植物由来の成分

イソフラボンは、リグナンと同じくポリフェノールの一種です。
リグナンがゴマや亜麻に多く含まれているのに対して、イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に含まれています。

リグナンと同じく、イソフラボンにもエストロゲン様作用や抗酸化作用があります。イソフラボンは、植物性エストロゲンの代表例です。
イソフラボンはエストロゲン様作用によって女性ホルモンの働きを補助し、美肌・美髪・更年期障害の症状改善・骨粗しょう症の予防などに役立ちます。
また、抗酸化作用によって老化の抑制や生活習慣病の予防に役立ちます。

イソフラボンは食事からも摂取可能

リグナンとイソフラボンは、ともにサプリメントで摂取可能です。それに加えてイソフラボンは、大豆製品からも摂取できます。

・リグナンの摂取はサプリが中心
リグナンは、ゴマや亜麻に多く含まれているほか、セリ・アスパラガス・ゴボウなどの農産物に広く含まれています。しかし、含有量が少ないため、食事だけで十分な量を摂取するのは現実的ではありません。
リグナンの効果を得るためには、サプリメントを利用する必要があります。

・イソフラボンは大豆製品にも豊富に含まれている
それに対してイソフラボンは、身近な食品である大豆に豊富に含まれており、豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品からも摂取することができます。身近な食品から摂取できるのは、イソフラボンの利点のひとつです。

イソフラボンは化粧品にも配合されている

イソフラボンは美容に役立つ成分としても知られており、化粧水・乳液・クリームなどの化粧品に広く利用されています。

それに対してリグナンは、2018年現在までのところ健康目的での利用が中心です。
モクレン科の植物から抽出した「マグノリグナン」と呼ばれる物質が美白効果のある成分として化粧品に配合されていますが、配合されている製品は少数です。

共通する健康・美容効果が多い

リグナンとイソフラボンは由来する植物が異なりますが、ともにエストロゲン様作用や抗酸化作用のあるポリフェノールであり、共通する効果が多くあります。
両者に共通する代表的な効果には、以下のようなものがあります。

・生活習慣病の予防
・更年期障害の症状改善
・骨粗しょう症の予防
・血行促進
・免疫力の向上
・睡眠の質を高める
・アルツハイマー病の予防
・美肌効果
・美髪効果
・体臭の改善
・ダイエット効果

両者を一緒に配合したサプリが販売されている

リグナンとイソフラボンには共通する効果が多くあり、一緒に摂取するとそうした効果がより一層高まります。
大豆イソフラボンと亜麻リグナンを併用したところ、骨粗しょう症の予防効果やコレステロールの抑制効果が、単独で摂取した場合よりも強まったとする実験報告があります。

そうした相乗効果を期待して、両者を一緒に配合したサプリメントが販売されています。
高い健康効果や美容効果を得たい人は、リグナンとイソフラボンを一緒に配合したサプリメントを試してみてはいかがでしょうか。