動脈硬化の予防に役立つイソフラボン
イソフラボンには、動脈硬化を抑制する効果があります。
動脈硬化は、血管が柔軟性を失って硬くなる症状です。動脈硬化が進行すると、脳梗塞・心筋梗塞・腎臓疾患などの重大な疾患のリスクが高まります。
イソフラボンには動脈硬化の予防に役立つさまざまな効果があり、身体の健康維持に役立ちます。
動脈硬化を進行させる活性酸素を中和する
動脈硬化を進行させる物質のひとつに活性酸素があります。イソフラボンには活性酸素を中和する作用があり、動脈硬化を予防します。
・活性酸素は動脈硬化を引き起こす
活性酸素は、ほかの物質を酸化する力が非常に強い物質で、日々の呼吸によって体内で発生します。
活性酸素が血液中の脂質を酸化すると、粘度の高い過酸化脂質が発生します。過酸化脂質は血管の内側に付着しやすく、動脈硬化を進行させます。
また、体内で活性酸素が過剰になると血糖値を抑制するインスリンの効き目に悪影響が及び、動脈硬化を進行させる糖尿病の原因になります。
・イソフラボンは活性酸素を中和する
イソフラボンは、活性酸素を中和する作用があることで知られるポリフェノールの一種です。イソフラボンは、体内の活性酸素を減少させて動脈硬化の進行を抑制します。
エストロゲン様作用が動脈硬化を抑制する
イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンとよく似ています。そのため、イソフラボンは体内でエストロゲンと似た生理作用を発揮します。その作用は、「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
エストロゲンには動脈硬化を抑制する高い効果があることが、研究で確認されています。
エストロゲンには血液中の脂質を減少させる高い効果があるほか、血管壁の細胞の過剰な増殖を抑制して動脈硬化を防ぐ効果があります。
イソフラボンは、エストロゲン様作用によってそうしたエストロゲンの作用を補助し、動脈硬化の進行を抑制します。
動脈硬化を悪化させる生活習慣病を予防・改善する
動脈硬化は、糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病によって進行が早まります。
イソフラボンはそうした生活習慣病の予防・改善に役立ち、動脈硬化を強く抑制します。
糖尿病
血糖値が高い状態では、血液中の脂質が血管の内側に付着しやすくなり、動脈硬化が進行します。糖尿病は、動脈硬化を進行させる主要な原因のひとつです。
糖尿病を防ぐには、血糖値を抑制するホルモンであるインスリンの働きが重要です。
イソフラボンにはインスリンの効き目を向上させる効果があり、糖尿病の予防に役立ちます。
イソフラボンは、血糖値を低下させて動脈硬化の進行を抑制します。
高血圧
高血圧によって血管に大きな負荷がかかると、血管は壁を厚くして圧力に対抗しようとします。その結果、血管の柔軟性が失われて動脈硬化が進行します。
イソフラボンには血液を固まりにくくする作用や血液をサラサラにする作用があり、血流をスムーズにして血圧を低下させます。
イソフラボンは、高くなりすぎた血圧を抑制して動脈硬化の進行を防ぎます。
高血圧を予防・改善するイソフラボンの効果について詳しくはこちら＞＞
脂質異常症
脂質異常症は、血液中の脂質が過剰な状態を意味します。脂質異常症の状態では血管の内側に脂質が付着しやすくなり、動脈硬化の進行が早まります。
イソフラボンには脂質の代謝を促進する効果があり、脂質異常症の予防・改善にとても効果的です。
イソフラボンは、血液中の脂質を減少させて動脈硬化を予防します。
脂質異常症に対するイソフラボンの効果について詳しくはこちら＞＞
動脈硬化の予防に役立つホルモンの分泌を促進する
イソフラボンには、動脈硬化を抑制するホルモンの分泌量を増やす効果があります。
・アディポネクチン
アディポネクチンは脂肪組織から分泌される善玉ホルモンで、動脈硬化を抑制する高い効果があります。アディポネクチンには体脂肪を減少させる効果があることから「やせホルモン」とも呼ばれています。
イソフラボンにはアディポネクチンの分泌量を増加させる作用があることが、研究で確認されています。
・DHEA
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は副腎から分泌されるホルモンで、動脈硬化・糖尿病・脂質異常症に対する高い予防効果があります。
イソフラボンにはDHEAの分泌量を増やす効果があることが確認されており、イソフラボンの摂取によってDHEAの血中濃度が約3倍に高まったとする実験報告もあります。
以上のように、イソフラボンには動脈硬化の進行を抑制する高い効果があります。
動脈硬化を防いで健康な身体を維持するために、イソフラボンを毎日の生活に取り入れてみることをおすすめします。
