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糖尿病の予防・改善に役立つイソフラボン

イソフラボンは、代表的な生活習慣病である糖尿病の予防・改善にとても効果的です。
イソフラボンには、血糖値を抑制するインスリンの効き目を高める効果などの、糖尿病対策に役立つ効果があります。
血糖値が気になる人には、イソフラボンがおすすめです。

糖尿病の予防・改善に役立つイソフラボンの効果

イソフラボンには、糖尿病対策に役立つさまざまな効果があります。

エストロゲン様作用

女性ホルモンのエストロゲンには、血糖値を抑制する作用があります。
イソフラボンにはエストロゲンに似た生理作用があり、血糖値を抑制して糖尿病の予防に役立ちます。

・エストロゲンは血糖値を抑制する
糖尿病の予防には、血糖値を抑制するホルモンであるインスリンの働きが重要です。
女性ホルモンのエストロゲンには、インスリンの効き目を高める作用があります。エストロゲンの分泌量が低下する更年期以降に糖尿病の発症リスクが高まることや、更年期の女性にエストロゲンを投与するとそのリスクが低下することが知られています。

・イソフラボンにはエストロゲン様作用がある
イソフラボンの分子構造は、エストロゲンとよく似ています。そのため、イソフラボンは体内でエストロゲンと同じような生理作用を発揮します。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
イソフラボンは、エストロゲン様作用によってインスリンの効き目を向上させ、糖尿病の予防・改善に役立ちます。

「やせホルモン」の分泌量を増やす

糖尿病の予防・改善に役立つホルモンに、アディポネクチンがあります。
イソフラボンは、アディポネクチンの分泌量を増加させます。

・アディポネクチンは糖尿病に対して効果的
アディポネクチンは脂肪組織から分泌されるホルモンの一種です。アディポネクチンには、糖や脂質を分解する酵素を活性化する作用があり、筋肉による糖の取り込みを促進します。また、インスリンの効き目を高める作用もあります。
その作用から、アディポネクチンは「やせホルモン」とも呼ばれています。

さらに、アディポネクチンの血中濃度が高いほど糖尿病のリスクが低くなるという研究報告もあります。アディポネクチンは、糖尿病予防に重要なホルモンです。

・イソフラボンはアディポネクチンを増加させる
イソフラボンにアディポネクチンの分泌を促進する作用があることが、研究で確認されています。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌され、脂肪の増加や脂肪組織の炎症が起こると分泌量が低下します。イソフラボンには脂質の代謝を促進する作用や炎症を抑制する作用があり、アディポネクチンの分泌量低下を防ぎます。

イソフラボンは、アディポネクチンの分泌を促進して糖尿病予防に役立ちます。

抗酸化作用・抗炎症作用

抗酸化作用は、活性酸素を中和する作用のことです。

・活性酸素は炎症を起こしてインスリンの効き目を低下させる
活性酸素は、ほかの物質を酸化する力が非常に強い物質で、日々の呼吸によって体内で発生します。体内で活性酸素が過剰になると、その強い酸化力で細胞を傷つけて炎症の原因になります。
過剰な活性酸素によって脂肪組織に炎症が起こると、インスリンの効き目を低下させるタンパク質が増加することが、研究で確認されています。

・イソフラボンは炎症を抑制する
イソフラボンには活性酸素を中和する強い抗酸化作用があり、活性酸素を減少させて脂肪組織の炎症を抑制します。
また、イソフラボンには抗炎症作用があり、「TNF-α」と呼ばれる脂肪組織の炎症に関わる物質の産生を抑制することが、研究で確認されています。

イソフラボンは、脂肪組織の炎症を抑制してインスリンの効き目を高く保ち、糖尿病を予防します。

糖尿病に対する効果が研究で確認されている

糖尿病に対するイソフラボンの効果は、研究でも確認されています。

厚生労働省の研究班により、40歳から69歳の男女約6万人を対象として、イソフラボンの摂取と糖尿病の発症との関連を調べた大規模な調査が行われました。その結果、イソフラボンを多く摂取している閉経後の女性や肥満の女性は、糖尿病の発症リスクが低いことが明らかになっています。

また、マウスを対象とした実験で、インスリンの効き目を高めるイソフラボンの効果が確認されています。

イソフラボンを習慣にして糖尿病予防

以上のように、イソフラボンは糖尿病の予防・改善にとても効果的です。
ただし、こうしたイソフラボンの効果には即効性がなく、比較的ゆっくりと作用します。そのため、十分な効果を得るためには長期間摂取を継続することが大切です。
血糖値が気になる人は、イソフラボンを毎日の生活に取り入れて、糖尿病対策に役立ててみることをおすすめします。