イソフラボンと食物繊維の併用効果
イソフラボンと一緒に摂取したい栄養素に、食物繊維があります。
食物繊維には腸内環境を整える働きがあり、イソフラボンの代謝を促進してその効果を高めます。また、イソフラボンと食物繊維を併用すると、両者に共通する健康効果がより一層高まります。
食物繊維はイソフラボンの代謝を促進する
イソフラボンは、腸内細菌の働きで代謝された後、体内に吸収されます。食物繊維には、腸内環境を整えてイソフラボンの代謝を促進する作用があります。
イソフラボンの吸収には腸内環境が重要
イソフラボンは、糖が付属している「グリコシド型」と、糖が外れた「アグリコン型」の2種類に分類されます。
グリコシド型は分子量が大きく、そのままでは体内に吸収されません。グリコシド型イソフラボンは、腸内細菌の働きによって糖が分解され、アグリコン型になることで体内に吸収されます。
腸内環境が悪化していると、イソフラボンを代謝する腸内細菌の活動が低下して、イソフラボンが有効利用されにくくなります。
食物繊維は腸内環境を整える
食物繊維には、腸内環境を整える高い効果があります。食物繊維は腸の善玉菌の食料になり、善玉菌を増やします。また、腸を刺激してぜん動運動を活発にする効果があります。
食物繊維は、腸内環境を整えて腸の善玉菌を増やし、イソフラボンの代謝と体内への吸収を促進します。
食物繊維の摂取量が少ない欧米人や若い世代の日本人は、イソフラボンを代謝する能力が低いという調査報告もあります。
イソフラボンを有効利用するために、食物繊維は是非一緒に摂取したい栄養素です。
食物繊維はエクオールの産生を促進する
・エクオールはイソフラボンの代謝物
エクオールは、イソフラボンの一種ダイゼインが腸内細菌によって代謝されたものです。エクオールには女性ホルモンの働きを補助する強い作用があり、健康成分として注目を集めています。
しかし、腸内環境や腸内細菌の組成は人によって異なり、ダイゼインからエクオールを産生できる人は日本人の約5割といわれています。
・食物繊維はエクオールの代謝を促進する
食物繊維にエクオールの産生を促進する作用があることが、動物実験で確認されています。
この実験において食物繊維とダイゼインを一緒に投与したところ、エクオールの産生が促進され、ダイゼインを単独投与した場合よりも骨を丈夫にする効果が高まったことが報告されています。
ダイゼインなどのイソフラボンの効果を高めるためには、食物繊維を一緒に摂取することが大切です。
イソフラボンと食物繊維の併用で高まる効果
イソフラボンと食物繊維には共通する効果があり、両者を併用するとそうした効果がより一層高まります。代表的な効果には、以下のようなものがあります。
コレステロール値の抑制
食物繊維には、コレステロールからつくられる胆汁酸の排泄を促進して、血液中のコレステロール値を低下させる作用があります。
イソフラボンには脂質の代謝を促進する作用があり、両者を一緒に摂取するとコレステロールの抑制効果がより一層高まります。
コレステロール値を低下させるイソフラボンの効果について詳しくはこちら＞＞
糖尿病の予防
食物繊維には、糖質の吸収速度を緩やかにして急激な血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病を予防する効果があります。
イソフラボンには血糖値を抑制するホルモンのインスリンの働きを高める効果があり、両者を併用すると糖尿病の予防効果が高まります。
ダイエット効果
食物繊維は、ダイエットに効果的な栄養素として知られています。食物繊維は消化されにくいため長く満腹感を得られるほか、ダイエットの大敵である便秘を解消する効果があります。
イソフラボンにも、脂肪の燃焼を促進する効果などの高いダイエット効果があります。
両者の併用は、ダイエットにとても効果的です。
大豆はイソフラボンと食物繊維が豊富
イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に含まれており、大豆には食物繊維も豊富に含まれています。大豆製品は、相性の良いイソフラボンと食物繊維を同時に摂取できる理想的な健康食品です。
ただし、豆乳は製造過程で食物繊維が取り除かれており、豆乳を固めた豆腐にも食物繊維があまり含まれていません。
豆乳・豆腐・サプリメントなどでイソフラボンを摂取する場合は、別の食品やサプリメントなどから食物繊維を補うようにしましょう。
食物繊維は、ごぼう・にんじん・キャベツなどの野菜類やキノコ類に多く含まれています。
高い健康効果と美容効果を生かすために、イソフラボンを食物繊維と一緒に摂取することをおすすめします。
