おからはイソフラボンの摂取に適した食品
イソフラボンを含む食品のひとつに「おから」があります。
おからは、大豆から豆乳を絞った後に残る副産物です。おからは非常に栄養価が高く、イソフラボンと相性の良い食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。
おからにはイソフラボンが含まれている
イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノールであり、大豆由来のおからにはイソフラボンが含まれています。
おから100gに含まれているイソフラボンは10.5mgです。
イソフラボンの安全な摂取目安量の上限値は1日あたり70-75mgとされており、多くの大豆製品メーカーはそれに近い量を摂取するよう推奨しています。
おからにはイソフラボン以外にも身体に役立つ栄養素が豊富に含まれており、積極的に摂取したい食品です。
おからでイソフラボンを摂取するメリット
イソフラボンと相性が良い食物繊維が豊富
大豆は食物繊維を豊富に含む食品ですが、豆乳には食物繊維はあまり含まれていません。おからには、大豆の食物繊維が凝縮されています。
食物繊維は、イソフラボンと非常に相性の良い栄養素です。
・食物繊維は腸内環境を整える
食物繊維には、腸内環境を整える高い効果があります。
食物繊維は腸内の善玉菌の食料になり、善玉菌を増やします。また、食物繊維は消化されずに腸に届くため、腸を刺激して腸の動きを活発にします。
・イソフラボンの吸収には腸内環境が重要
大豆には、イソフラボンがグリコシド型と呼ばれる状態で含まれています。グリコシド型はイソフラボンの分子に糖が付属した状態のものです。
グリコシド型イソフラボンは分子量が大きく、腸内細菌によって代謝されないと体内に吸収されません。そのため、腸内環境が悪化するとイソフラボンの吸収率が低下します。
・おからの食物繊維はイソフラボンの吸収に役立つ
おからには、食物繊維とイソフラボンが一緒に含まれています。食物繊維によって腸内細菌の働きが活発になると、イソフラボンの代謝が促進されて吸収率が向上します。
おからは、イソフラボンの効果を効率的に得られる非常に優れた食品です。
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おからには多くの栄養素が含まれている
イソフラボンと食物繊維以外にも、おからには身体に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
・タンパク質
大豆は「畑の肉」と呼ばれており、おからにもタンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質は肌や髪の形成に欠かせない成分で、一緒に摂取するとイソフラボンの美肌効果や美髪効果が高まります。
関連記事:イソフラボンとタンパク質を一緒に摂取
・ミネラル
おからには、カルシウム・カリウム・マグネシウム・リン・鉄・銅・亜鉛といった身体に不可欠なミネラルが含まれています。特にカルシウム・マグネシウム・リンは、骨の材料になる成分です。
イソフラボンには骨を丈夫にする効果があり、これらのミネラルと一緒に摂取すると効果がより一層高まります。
関連記事:骨粗しょう症の予防にイソフラボン
・ビタミン
おからには、ビタミンB群・ビタミンE・ビタミンK2といったビタミン類も含まれています。
ビタミンB群は「代謝ビタミン」と呼ばれ、栄養素の代謝に不可欠な成分です。
ビタミンEは「若返りのビタミン」と呼ばれ、美容に効果的な成分として知られています。
ビタミンK2には骨を丈夫にする効果があり、イソフラボンと一緒に摂取すると効果がより一層高まります。
関連記事:イソフラボンとビタミンK2の相乗効果
おからには豊富な栄養素が含まれており、健康と美容にとても効果的な食品です。
おからパウダーやクッキーが販売されている
おからは古くから食べられている一般的な食品であり、スーパーや豆腐屋で販売されています。また、乾燥させた「おからパウダー」や、おからを材料にしたクッキーも販売されています。
おからパウダーは、イソフラボンや食物繊維、タンパク質を手軽に摂取できる健康食品として人気を集めています。飲み物やヨーグルトに混ぜたり、通常の料理にかけて食べたりする利用法が一般的です。
生のおからは日持ちしませんが、乾燥させてあるパウダーは長めの保存が可能です。
おからは豆腐や豆乳の副産物
豆腐は、大豆の絞り汁である豆乳からつくられます。大豆から豆乳を絞った後に残ったものが「おから」です。
おからには大豆の豊富な栄養素が含まれており、豆腐を食べる習慣のある東アジアでは一般的な食品です。
おからの名前は、「搾りかす」を意味する「から」に丁寧語の「御」をつけたものです。
おからは、白いことから「卯の花(うのはな)」と呼ばれ、包丁で切る必要がないことから「雪花菜(きらず)」とも呼ばれます。
おからは、イソフラボンをはじめとした身体に役立つ豊富な栄養素を含んでいます。惣菜のおからやおからパウダーなどを摂取して、健康と美容に役立ててみることをおすすめします。