イソフラボンのエストロゲン様作用
イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする「エストロゲン様作用」があります。イソフラボンは、エストロゲン様作用によって女性ホルモンの働きを補助し、さまざまな美容効果と健康効果を身体にもたらします。
また、イソフラボンには、エストロゲンが過剰な場合にはその働きを抑える「抗エストロゲン作用」もあります。
イソフラボンにはエストロゲン様作用がある
・イソフラボンは植物性エストロゲンの代表例
イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た分子構造をしています。そのため、体内でエストロゲンと同じような働きをしてエストロゲンの作用を補助します。そうした作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
エストロゲン様作用をもつ植物由来の物質は「植物性エストロゲン」と呼ばれます。イソフラボンは植物性エストロゲンの代表例です。
・イソフラボンのエストロゲン様作用は美容と健康に役立つ
エストロゲンには、女性らしい身体を形成する作用のほか、美肌効果や髪を丈夫にする効果、脂質の代謝を促進する効果などの、健康と美容に役立つ多くの効果があります。
イソフラボンは、そうしたエストロゲンの作用を補助して多くの健康効果や美容効果を身体にもたらします。
イソフラボンには抗エストロゲン作用もある
イソフラボンには、エストロゲンが過剰な場合はその働きを抑える作用もあります。そうした作用は「抗エストロゲン作用」と呼ばれます。
・エストロゲンが過剰な場合は作用を抑える
エストロゲンは、卵巣から分泌された後、細胞にあるレセプター(受け皿)と結合することで効果を発揮します。レセプターと結合できなければ、エストロゲンは身体に影響を及ぼしません。
エストロゲンが不足しているときには、イソフラボンが代わりにレセプターと結合してエストロゲンの作用を補助します。逆にエストロゲンが過剰な場合は、イソフラボンが先にレセプターと結合することで、エストロゲンがレセプターと結合するのを防ぎます。
エストロゲンと似た働きをするといっても、イソフラボンの作用は本物のエストロゲンと比べると1000分の1以下の非常に弱いものです。そのため、体内でエストロゲンが過剰な場合は、イソフラボンがエストロゲンの作用を相対的に弱めてくれます。
以上のように、イソフラボンにはエストロゲンが不足しているときにはその作用を補い、過剰な場合にはその作用を抑える働きがあります。イソフラボンには、女性ホルモンのバランスを正常に保つ効果があります。
エストロゲン様作用による美容・健康効果
エストロゲン様作用のあるイソフラボンは、身体にさまざまな美容効果と健康効果をもたらします。その中から代表的なものをご紹介します。
・美肌効果
エストロゲンには、コラーゲンとヒアルロン酸の生成を促進する効果があります。
コラーゲンはタンパク質の一種で、肌に弾力を与える役割があります。ヒアルロン酸は、肌に水分を保持する働きのある物質です。
イソフラボンは、エストロゲンの作用を補助することでコラーゲンとヒアルロン酸の生成を促進し、弾力と潤いのある肌の形成に役立ちます。
・美髪効果
エストロゲンには、丈夫で健康な髪の形成を促進する作用があります。更年期以降の女性に薄毛の悩みが増えるのは、エストロゲンの分泌量が低下するためです。
イソフラボンは、髪を丈夫にするエストロゲンの働きを補助する作用があり、美しい髪の形成や薄毛予防に役立ちます。
・生活習慣病の予防
エストロゲンには、脂質の代謝を促進する作用や血糖値を抑制する作用があります。イソフラボンはエストロゲン様作用によってその作用を補い、高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈硬化といった生活習慣病の予防・改善に役立ちます。
・更年期障害の症状改善
更年期障害は、エストロゲンの分泌量が急激に減少することで発症します。
イソフラボンにはエストロゲン様作用があり、更年期に減少したエストロゲンの作用を補って更年期障害の諸症状を緩和します。
・骨粗しょう症の予防
エストロゲンは骨の形成にも深く関係しています。エストロゲンの分泌量が減少する更年期以降の女性は、骨がもろくなる骨粗しょう症が起こりやすくなります。
イソフラボンは、エストロゲン様作用によって骨を丈夫にし、骨粗しょう症を予防します。その効果は国の機関にも認められており、イソフラボンを配合した商品が骨の健康に役立つ特定保健用食品(トクホ)として認定されています。
以上のように、イソフラボンはエストロゲン様作用によってさまざまな美容効果と健康効果を身体にもたらします。
若々しく健康な身体を手に入れるために、イソフラボンを毎日の生活に取り入れてみることをおすすめします。