イソフラボンの一種ダイジンとは?
イソフラボンにはいくつかの種類があり、ダイジンはそのうちのひとつです。
ダイジンは糖が付属した「グリコシド型」イソフラボンの一種で、腸内細菌によって糖が分解され、ダイゼインに変換されることで体内に吸収されます。
イソフラボンの健康効果や美容効果を効率的に得たい場合は、ダイゼインの状態で配合されているサプリメントの摂取がおすすめです。
ダイジンはダイゼインの配糖体
糖が付属している化合物のことを「配糖体」といいます。イソフラボンにはいくつかの種類があり、配糖体である「グリコシド型」と、糖が付属していない「アグリコン型」の2つに大きく分類されます。
グリコシド型イソフラボンには、「ダイジン」「ゲニスチン」「グリシチン」の3種類があり、それらから糖が外れたものが、アグリコン型イソフラボンの「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」です。
グリコシド型イソフラボン | アグリコン型イソフラボン |
---|---|
ダイジン | ダイゼイン |
ゲニスチン | ゲニステイン |
グリシチン | グリシテイン |
グリコシド型イソフラボンは、付属している糖の種類によってさらに複数の種類に分けられます。
ダイジンはダイゼインに代謝されて体内に吸収される
ダイジンなどのグリコシド型イソフラボンは、糖が付属しているため分子量が大きく、そのままでは体内に吸収されません。ダイジンを摂取すると、腸内細菌の働きによって糖が分解され、アグリコン型のダイゼインになることで体内に吸収されます。
・ダイジンは吸収率と吸収速度が低い
ダイジンは腸内細菌によって代謝されないと吸収されないため、吸収率が低めです。口から摂取したダイジンの吸収率は2割程度といわれています。残りの8割は、残念ながら吸収されずに排出されてしまいます。
ダイゼインへの変換率は腸内細菌の働きに左右されるため、腸内環境が悪化していると吸収率はさらに低下します。
また、吸収速度も遅く、吸収のピークを迎えるのは摂取して6-8時間程度経過してからです。
・ダイゼインは吸収効率が良い
それに対してダイゼインは、すでに糖が外れた状態であり、腸内細菌の働きに関係なく胃や腸で速やかに吸収されます。ダイゼインの吸収率はダイジンの約3倍といわれており、摂取してから2時間程度で吸収のピークを迎えます。
ダイゼインには高い健康効果がある
ダイジンから糖が外れたダイゼインには、高い健康効果があることが多くの実験で確認されています。
・抗酸化作用が強い
ダイゼインはほかのイソフラボンに比べて抗酸化作用が強く、体内の活性酸素を減少させます。活性酸素は強い酸化力をもつ物質で、体内で過剰になると老化や生活習慣病の原因になります。
ダイゼインは、活性酸素を減少させて若々しく健康な身体の形成に役立ちます。
・多くの健康効果がある
ダイゼインには脂質の代謝を促進する作用があり、コレステロールを抑制する効果やダイエット効果があります。また、免疫力を高める効果やアルツハイマー病の予防効果も実験で確認されています。
ダイジンは、腸内細菌の働きによってダイゼインに変換され、以上のような高い健康効果を発揮します。
ダイゼインはさらにエクオールに変換される
ダイジンの代謝物であるダイゼインは、さらに特定の腸内細菌によって「エクオール」へと変換されます。
エクオールは女性ホルモンのエストロゲンと分子構造がよく似ており、体内でエストロゲンと似た働きをします。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
ダイゼインにもエストロゲン様作用がありますが、エクオールはさらに強力です。
そのため、エクオールはエストロゲンの減少が原因で起こる更年期障害や骨粗しょう症の予防・改善にとても効果的です。
また、エストロゲンは肌や髪の形成に深く関係しており、エクオールには高い美肌・美髪効果があります。
ダイジンは、腸内細菌の働きによってダイゼインやエクオールに変換され、健康と美容に役立ちます。
イソフラボンの効率的な摂取にはサプリメントが適している
イソフラボンは大豆などのマメ科の植物に含まれるポリフェノールであり、大豆製品から摂取できます。しかし、大豆製品に多く含まれているのは、ダイジンなどのグリコシド型イソフラボンです。
グリコシド型イソフラボンも身体の健康と美容に役立ちますが、吸収率が2割程度と低めです。
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、ダイゼインなどのアグリコン型イソフラボンが配合されているサプリメントの利用が適しています。
アグリコン型イソフラボンを配合したサプリメントを毎日の生活に取り入れて、健康と美容に役立ててみることをおすすめします。