イソフラボンを摂り過ぎるとどうなる?
イソフラボンは、健康と美容にとても効果的な成分として人気を集めています。しかし、摂り過ぎると健康に悪影響を及ぼす場合があります。
イソフラボン配合のサプリメントを利用する場合は、製品に記載されている摂取目安量を守り、過剰摂取にならないよう注意することが大切です。
なお、イソフラボンは大豆製品に多く含まれていますが、通常の食事で過剰摂取になることはありません。
イソフラボンの過剰摂取はホルモンバランスの乱れの原因になる
イソフラボンを摂り過ぎるとホルモンバランスの乱れが起こる場合があり、注意が必要です。
イソフラボンには女性ホルモンに似た作用がある
イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンと非常によく似ています。そのため、イソフラボンは体内でエストロゲンと似た生理作用を発揮します。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
イソフラボンのエストロゲン様作用は、本物のエストロゲンと比べると1,000分の1以下の非常に弱いものです。しかし、摂取量や体質によっては大きな影響を及ぼし、ホルモンバランスの乱れの原因になる場合があります。
過剰摂取による健康被害が報告されている
イソフラボンを過剰摂取した結果、健康被害が起こった事例が報告されています。
イタリアの研究で閉経後の女性179人に対し、1日あたり150mgのイソフラボンを5年間摂取させたところ、6名に子宮内膜の異常増殖がみられたことが報告されています。
また、前立腺の腫瘍がある男性に、治療目的で大豆イソフラボン数百mg含んだカプセルを84日間摂取させたところ、胸が女性のように膨らんだ事例が報告されています。
ほかにもいくつかの報告がありますが、どの事例も大量のイソフラボンを長期間継続して摂取した場合に異常が発生しています。
通常の食事で過剰摂取になる心配はない
イソフラボンは豆腐・納豆・味噌などの大豆製品に含まれていますが、通常の食事で過剰摂取になる心配はありません。大豆製品は日本をはじめとしたアジア諸国で日常的に食されており、大豆製品の通常摂取によって健康被害が起こったケースは、アレルギー以外に報告がありません。
食品によるイソフラボンの摂取に関しては、高い安全性が確認されています。
サプリメントによる過剰摂取に注意
サプリメントには、濃縮されたイソフラボンが吸収率の高い状態で配合されています。そのため、サプリメントを多く摂取してしまうと、イソフラボンの過剰摂取になる場合があります。
イソフラボン配合のサプリメントを利用する場合は、製品に記載されている摂取目安量をしっかりと守り、過剰摂取にならないよう注意することが大切です。
摂取目安量を守っていれば健康被害の心配はない
・食品安全委員会が摂取目安量を定めている
食品のリスク評価を行っている食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な摂取目安量を1日あたり70-75mgと定めています。また、通常の食事に上乗せして、特定保健用食品やサプリメントでイソフラボンを摂取する場合の上限値を、1日あたり30mgとしています。
・摂取目安量を守っていれば安心
これらの数値は1日の平均値であり、短期間に上限値を超えて摂取しても、ただちに健康に悪影響があるわけではありません。健康被害の事例は、こうした数値を大幅に上回るイソフラボンを長期間継続的に摂取した場合に起こっています。
市販されているイソフラボンサプリは、こうした基準値以下になるよう1日あたりの摂取目安量が定められています。製品に記載されている摂取目安量を守っていれば、ホルモンバランスの乱れによる健康被害が起こる心配はありません。
一般的な日本人のイソフラボン摂取量は少ない
イソフラボンの過剰摂取についてご紹介しましたが、一般的な日本人のイソフラボン摂取量は摂取目安量の上限値よりも大幅に少なく、過度に心配する必要はありません。
摂取目安量の上限値は1日あたり70-75mgとされていますが、国民栄養調査によれば、日本人の半数は1日に18mg未満のイソフラボンしか摂取していません。
別の調査でも、日本人の多くが12-13mg程度しかイソフラボンを摂取していないことが報告されています。
全体的にみると、日本人はイソフラボンが不足している状態です。イソフラボンサプリの摂取量に気をつけていれば、過剰摂取になる恐れはありません。
サプリメントの摂取量をきちんと守りつつ、イソフラボンを毎日の生活に取り入れてみることをおすすめします。