大豆胚芽抽出物とは?
イソフラボンサプリには、「大豆胚芽抽出物」や「大豆胚芽抽出エキス」といった原材料表示のある製品があります。そうした製品には、大豆の胚芽のみから抽出したイソフラボンが配合されています。
大豆胚芽抽出物に含まれるイソフラボンは、丸大豆から抽出したイソフラボンとは組成が異なり、得られる効果にも違いがあります。
大豆胚芽抽出物にはダイジンが多い
イソフラボンにはいくつかの種類があり、大豆の部位によって多く含まれるイソフラボンの種類が異なります。そのため、大豆胚芽から抽出したイソフラボンは、丸大豆から抽出したものと効果に違いがあります。
大豆胚芽抽出物にはイソフラボンのひとつダイジンが豊富に含まれており、ダイジンの健康効果と美容効果が強く発揮されます。
・イソフラボンにはいくつかの種類がある
イソフラボンにはいくつかの種類があり、「グリコシド型」と「アグリコン型」の2つに大きく分けられます。グリコシド型は、アグリコン型イソフラボンの分子に糖が付属したタイプです。
通常の大豆製品に含まれているイソフラボンのほとんどは、分子量の大きいグリコシド型です。
グリコシド型イソフラボンには「ダイジン・ゲニスチン・グリシチン」の3種類があります。それらから糖が外れると、アグリコン型の「ダイゼイン・ゲニステイン・グリシテイン」に変化します。
・大豆胚芽にはダイジンが多く含まれている
大豆は、部位によってイソフラボンの組成が異なります。
大豆全体から抽出したイソフラボンは、「ダイジン4割・グリシチン1割・ゲニスチン5割」の比率で構成されています。それに対して大豆胚芽から抽出したイソフラボンの構成は「ダイジン7割・グリシチン2割・ゲニスチン1割」です。
大豆胚芽抽出物には、ダイジンの含有量が多いという特徴があります。
ダイジンは身体の健康と美容に役立つ
ダイジンは、腸内細菌によって糖が分解され、ダイゼインに代謝されることで体内に吸収されます。ダイジンの代謝物であるダイゼインには、多くの健康効果と美容効果があります。
・ダイゼインには多くの健康効果がある
ダイゼインには、血液中のコレステロールを減少させる効果やダイエット効果が強いという特徴があります。また、免疫力の向上効果やアルツハイマー病の予防効果があることが、研究で確認されています。
・ダイゼインはエクオールに変換される
ダイゼインが特定の腸内細菌によって代謝されると、エクオールが産生されます。
エクオールには女性ホルモンの働きを強く補助する作用があり、女性の美容と健康に役立つ成分として人気を集めています。
ダイジンの摂取は、高い効果をもつエクオールの産生量増加にもつながります。
以上のように、ダイジンを摂取すると多くの健康効果と美容効果が得られます。
大豆胚芽抽出物にはダイジンが多く含まれており、高い効果が期待できます。
「発酵大豆胚芽抽出物」が配合された製品もある
イソフラボンサプリの中には、単なる大豆胚芽抽出物ではなく、「発酵大豆胚芽抽出物」を配合した製品もあります。
・大豆を発酵させるとアグリコン型が増える
大豆に含まれているイソフラボンのほとんどは、分子に糖が付属しているグリコシド型です。大豆を発酵させると、発酵の過程で糖が分解されて、グリコシド型がアグリコン型に変換されます。
大豆胚芽抽出物に含まれるイソフラボンはグリコシド型のダイジンが中心ですが、発酵大豆胚芽抽出物にはアグリコン型のダイゼインが多く含まれています。
・アグリコン型は吸収率が高い
ダイジンなどの糖が付属しているグリコシド型イソフラボンは、腸内細菌によって糖が分解されないと体内に吸収されません。そのため、吸収率が低めです。
それに対してダイゼインなどのアグリコン型は、胃や腸で速やかに吸収され、吸収率はグリコシド型の約3倍といわれています。
大豆胚芽抽出物を配合した製品は健康と美容にとても効果的ですが、発酵大豆胚芽抽出物はより効率的にイソフラボンを吸収できるため、さらに高い効果が期待できます。
大豆胚芽抽出物の特徴
まとめると、大豆胚芽抽出物配合のサプリメントには以下のような特徴があります。
・高い健康効果と美容効果のあるダイジンを多く摂取できる
・女性ホルモンの働きを補助するエクオールの産生量増加が期待できる
・グリコシド型が多いため発酵大豆胚芽抽出物に比べると吸収率が悪い
こうした特徴を把握して、より自分にあった製品選びに役立ててみてください。
大豆胚芽由来のイソフラボンを摂取したい場合は、原材料表示に「胚芽」の文字があることを確認してから製品を購入しましょう。