発酵丸大豆抽出物の特徴
大豆イソフラボンの抽出方法にはいくつかの種類があり、そのうちのひとつに発酵した丸大豆から抽出する方法があります。
大豆を発酵させるとイソフラボンの分子構造が変化し、体内に吸収されやすくなります。また、丸大豆から抽出したイソフラボンは、大豆胚芽から抽出したものと組成が異なります。
大豆を発酵させるとイソフラボンの吸収率が高まる
大豆を発酵させると、イソフラボンの体内への吸収率が高まります。
・イソフラボンにはグリコシド型とアグリコン型がある
イソフラボンには、体内に吸収されにくい「グリコシド型」と、吸収されやすい「アグリコン型」の2種類があります。
グリコシド型は、イソフラボンの分子に糖が付属しており、分子量が大きいため腸内細菌によって代謝されないと体内に吸収されません。それに対してアグリコン型は、胃や腸から速やかに吸収されます。
大豆に含まれているイソフラボンのほとんどは、糖が付属したグリコシド型です。そのため、通常の大豆から抽出したイソフラボンは、身体への吸収率が低めです。
・発酵させると吸収率が高いアグリコン型が増える
大豆を発酵させると、グリコシド型イソフラボンに付属している糖が発酵の過程で分解されます。それにより、グリコシド型がアグリコン型へと変化します。
発酵大豆から抽出したイソフラボンはアグリコン型の割合が高く、体内に速やかに吸収されます。
発酵させると抗酸化作用が強くなる
大豆を発酵させると、イソフラボンがより抗酸化力の強い物質へと代謝されて抗酸化作用が強まることが、研究で確認されています。
抗酸化作用とは、活性酸素を中和する作用のことです。
活性酸素は非常に酸化力の強い物質で、日々の呼吸やストレスによって体内で発生します。活性酸素は身体に必要な物質ですが、体内で過剰になると肌の老化や生活習慣病などの原因になります。
発酵大豆抽出物は、未発酵の大豆抽出物よりも抗酸化作用が強く、体内の活性酸素を大幅に減少させます。老化の抑制効果や生活習慣病の予防効果を得たい場合は、発酵大豆抽出物を配合した製品がおすすめです。
丸大豆抽出物にはゲニステインが多く含まれている
イソフラボンにはいくつかの種類があり、大豆の部位によって多く含まれるイソフラボンの種類に違いがあります。丸大豆から抽出したイソフラボンには、ゲニステインが多く含まれています。
・イソフラボンにはいくつかの種類がある
アグリコン型イソフラボンには、「ダイゼイン・グリシテイン・ゲニステイン」の3種類があります。これらは同じイソフラボンですが、それぞれ効果の種類や強さに違いがあります。
・丸大豆にはゲニステインが多く含まれている
丸大豆から抽出したイソフラボンは、「ゲニステイン5割・ダイゼイン4割・グリシテイン1割」で構成されています。それに対して大豆胚芽には「ゲニステイン1割・ダイゼイン7割・グリシテイン2割」の比率でイソフラボンが含まれています。
イソフラボンサプリの中には、発酵させた大豆胚芽の抽出物を配合している製品もあります。そうした製品を利用すればダイゼインを多く摂取できます。
それに対してゲニステインを多く摂取したい場合は、発酵丸大豆抽出物を配合した製品が適しています。
・ゲニステインはエストロゲン様作用が強い
ゲニステインには、ほかのイソフラボンよりもエストロゲン様作用が強いという特徴があります。
エストロゲン様作用とは、女性ホルモンのエストロゲンの働きを補助する作用のことです。エストロゲンは肌や髪の形成に深く関係しており、ゲニステインには高い美肌・美髪効果があります。また、エストロゲン様作用は更年期障害の症状改善や骨粗しょう症の予防にも役立ちます。
さらに、ゲニステインには高い美白効果や糖尿病の予防効果もあります。
こうした効果を期待する場合は、ゲニステインを多く含む発酵丸大豆抽出物を配合した製品がおすすめです。
発酵丸大豆抽出物を配合したサプリで健康増進
以上のように、発酵丸大豆抽出物に含まれるイソフラボンは吸収率が高く、ゲニステインを多く摂取できます。
効率的にイソフラボンを摂取したい人や、女性ホルモンの働きを補助する効果などを求める人には、発酵丸大豆抽出物を配合したサプリメントが適しています。
発酵丸大豆抽出物が配合されている製品には、「発酵大豆抽出物」や「発酵大豆エキス」といった原材料表記がされています。そうしたサプリメントを毎日の生活に取り入れて、健康と美容に役立ててみることをおすすめします。