イソフラボンの一種ゲニステインの効果
イソフラボンにはいくつかの種類があり、ゲニステインはそのうちのひとつです。
ゲニステインは体内への吸収率が高い「アグリコン型」のイソフラボンで、身体にさまざまな健康効果と美容効果をもたらします。ゲニステインには、女性ホルモンの作用を補助する効果が特に強いという特徴があります。
ゲニステインはアグリコン型イソフラボン
イソフラボンは、植物の苦味や渋味のもとになるポリフェノールの一種です。
イソフラボンにはいくつかの種類があり、「アグリコン型」と「グリコシド型」の2つに大きく分けられます。ゲニステインは、アグリコン型のイソフラボンのひとつです。
・アグリコン型は分子量が小さい
アグリコン型は、分子に糖が付属しておらず、分子量が小さいタイプのイソフラボンです。糖が付属しているタイプのイソフラボンは、グリコシド型と呼ばれます。
グリコシド型のイソフラボンのひとつにゲニスチンがあります。ゲニスチンから糖が外れたものがゲニステインです。
ゲニスチンなどのグリコシド型は分子量が大きいため、そのままでは体内に吸収されません。グリコシド型イソフラボンは、腸内細菌の働きによって糖が分解され、アグリコン型に変換されることで体内に吸収されます。
・ゲニステインは吸収効率が良い
ゲニスチンなどのグリコシド型は、腸内細菌によって代謝されないと吸収が始まらないため、吸収率が低めです。体内への吸収率は2割程度といわれており、吸収速度も6-8時間程度と遅めです。
それに対してゲニステインなどのアグリコン型は、分子量が小さいため胃や腸で速やかに吸収されます。アグリコン型のイソフラボンの吸収率はグリコシド型の約3倍といわれており、摂取して2時間程度で体内に吸収されます。
ゲニステインの特徴的な効果
ゲニステインにはさまざまな健康効果や美容効果があることが、研究で確認されています。
エストロゲン様作用
イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンとよく似ています。そのため、イソフラボンは体内でエストロゲンと同じような働きをします。そうした作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
ゲニステインは、ダイゼインなどのほかのアグリコン型イソフラボンに比べて、エストロゲン様作用が強いことが確認されています。
ゲニステインはエストロゲンの働きを強く補助し、エストロゲンの減少が原因で起こる更年期障害や骨粗しょう症の予防・改善に役立ちます。
また、エストロゲンは肌や髪の形成に深く関与しており、ゲニステインには高い美肌・美髪効果があります。
美白効果
ゲニステインに高い美白効果があることも確認されています。
肌のメラニン色素が過剰になると、シミやソバカスの原因になります。
メラニン色素の生成に関わる酵素のひとつに「DTC(ドーパクロムトートメラーゼ)」があります。メラニン色素を生成する細胞にゲニステインを投与したところ、DTCの働きが抑制されてメラニン色素の生成量が減少したことが、研究で確認されています。
ゲニステインは、メラニン色素の発生を抑えてシミやソバカスを防ぎ、白く美しい肌の形成に役立ちます。また、ゲニステインなどのイソフラボンには、新陳代謝を促進する効果などの美白に役立つ別の効果もあります。
糖尿病の予防・改善
大豆イソフラボンの血糖値に与える影響を調べた10件の研究データ(794名分)が分析され、ゲニステインに空腹時血糖値の低下効果があることが確認されています。
ゲニステインは、血糖値を抑制して糖尿病の予防・改善に役立ちます。
アトピー性皮膚炎の症状改善
アトピー性皮膚炎を誘発させたマウスにゲニステインを10週間経口投与したところ、症状が改善されたという実験報告があります。
イソフラボンには炎症を抑制する作用があり、皮膚炎の抑制に効果的ですが、その中でもゲニステインは特に効果的です。
アトピー性皮膚炎に対するイソフラボンの効果について詳しくはこちら>>
ゲニステインの摂取はサプリメントがおすすめ
以上のように、ゲニステインには高い健康効果と美容効果があります。こうしたゲニステインの効果を効率的に得たい場合は、サプリメントを利用するのがおすすめです。
イソフラボンは豆腐や納豆などの大豆製品に含まれていますが、その多くはグリコシド型です。グリコシド型の摂取も身体に役立ちますが、吸収率は2割程度であり、あまり効率的ではありません。
ゲニステインなどのイソフラボンの効果を確実に得たい場合は、アグリコン型イソフラボンが配合されているサプリメントを利用することをおすすめします。