脂質異常症の予防・改善に役立つイソフラボン
イソフラボンは、脂質異常症の予防・改善にとても効果的です。
脂質異常症は、血液中の脂質の量が異常な状態を意味します。イソフラボンには脂質の代謝を促進する作用があり、脂質異常症を改善して身体の健康維持に役立ちます。
脂質異常症は血液中の脂質の量が異常な状態
脂質異常症は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が過剰な状態や、脂質を肝臓に運ぶ善玉コレステロールが過度に少ない状態をいいます。
以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉コレステロールに関しては少ないことが問題になるため、2007年7月に「脂質異常症」に改名されました。
脂質異常症の状態では、血管の内側に脂質が付着しやすくなり、血管が柔軟性を失う動脈硬化の進行が早まります。動脈硬化は脳梗塞・心筋梗塞・内臓疾患などの重大な病気の原因になるため、身体の健康維持のためには脂質異常症を早期に改善することが大切です。
脂質異常症を改善するイソフラボンの効果が研究で確認されている
イソフラボンは、脂質異常症の予防・改善にとても効果的です。その効果は、研究でも確認されています。
血液中の脂質が多い61名の被験者にイソフラボン80mgを配合した食事を5週間摂取させたところ、悪玉コレステロールが大幅に減少したとの実験報告があります。
また、20-60歳の男性24名を対象としてイソフラボン61.25mgを7日間摂取させたところ、中性脂肪の量が減少したことが報告されています。
さらに、多数の実験データを解析した信頼性が高いとされる方式の研究でも、血液中の悪玉コレステロールと中性脂肪を減少させるイソフラボンの効果が確認されています。
脂質異常症の予防・改善に役立つイソフラボンの効果
イソフラボンには、脂質異常症の予防・改善に役立つさまざまな効果があります。
エストロゲン様作用
イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンと非常によく似ています。そのため、イソフラボンは体内でエストロゲンと同じような働きをします。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
エストロゲンには、血液中の悪玉コレステロールと中性脂肪を減少させる効果や、善玉コレステロールを増やす効果があります。また、LDL受容体と呼ばれるタンパク質の働きを活性化して脂質の代謝を促進する作用があります。
イソフラボンは、エストロゲン様作用によって血液中の脂質を減少させ、脂質異常症の予防・改善に役立ちます。
筋肉の代謝エネルギーを増やす
イソフラボンには筋肉の代謝エネルギーを増やす効果があり、脂肪の燃焼を促進して血液中の脂質を減少させます。
人の骨格筋では、細胞内のミトコンドリアが脂肪からエネルギーをつくりだしています。
骨格筋の細胞にイソフラボンを投与すると、ミトコンドリアが増加して代謝エネルギーが増えることが、実験で確認されています。
イソフラボンは、筋肉の代謝エネルギーを増やして脂肪の燃焼を促進し、脂質異常症の予防・改善に役立ちます。
抗酸化作用・抗炎症作用
抗酸化作用は、活性酸素を中和する作用のことです。
・活性酸素による炎症は脂質の代謝に悪影響を及ぼす
活性酸素は酸化力の非常に強い物質で、日々の呼吸によって体内で発生します。体内で活性酸素が過剰になると、細胞に酸化ストレスを与えて炎症を引き起こします。
活性酸素によって脂肪組織に炎症が起こると、脂肪の代謝を促進するホルモンの分泌が抑制されることが知られています。脂質の代謝を促進して脂質異常症を改善するには、体内の活性酸素を減らすことが大切です。
・イソフラボンは活性酸素を中和して炎症を抑制する
イソフラボンには、活性酸素を中和する強い抗酸化作用があります。イソフラボンは、活性酸素による炎症を抑制して脂質の代謝を促進します。
また、イソフラボンには抗炎症作用があることが確認されています。イソフラボンは脂肪組織の炎症を抑制して、脂質の代謝を促進するホルモンの分泌量を高めます。
ストレス軽減
ストレスを感じると、ストレスに対抗するためにストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンは血液中の脂質を材料として生成されるため、ストレスを感じると血液中に脂質が大量に供給されます。
イソフラボンにはストレスを軽減する高い効果があり、ストレスによる脂質異常症の悪化を抑制します。
ストレスを軽減するイソフラボンの効果について詳しくはこちら>>
以上のように、イソフラボンは脂質異常症の予防・改善にとても効果的です。
血液検査でコレステロール値が高かった人や、血液中の脂質を減少させて健康な身体を維持したい人は、毎日の生活にイソフラボンを取り入れてみることをおすすめします。