ピルとイソフラボンの飲み合わせ
ピルには女性ホルモンが含まれており、イソフラボンには女性ホルモンに似た生理作用があります。そのため、濃縮したイソフラボンが配合されているサプリメントとピルを併用すると、ピルの効果に影響を及ぼす可能性があります。ピルとイソフラボンサプリを併用したい場合は、事前に医師に相談するようにしてください。
なお、ピル服用時に豆腐や納豆などの大豆食品からイソフラボンを摂取するのは、全く問題ありません。
イソフラボンサプリはピルの効果に影響を及ぼす可能性がある
イソフラボンには女性ホルモンに似た生理作用があり、ピルとイソフラボンサプリを併用するとピルの効果に影響を及ぼす可能性があります。
ピルには女性ホルモンが含まれている
ピルは、女性ホルモンの働きによって排卵を抑制する医薬品です。
ピルには女性ホルモンが含まれています。ピルを服用すると、体内は「排卵後のホルモンの状態」になるため、脳は排卵の指令を出さなくなります。その結果、卵巣での排卵が起こらなくなります。
イソフラボンは女性ホルモンの働きに影響を及ぼす
イソフラボンの分子構造は女性ホルモンのエストロゲンによく似ており、体内でエストロゲンと似た生理作用を発揮します。その作用は「エストロゲン様作用」と呼ばれます。
イソフラボンはエストロゲン様作用によってエストロゲンの働きを補助しますが、その一方でエストロゲンの働きを弱める場合もあります。
エストロゲンは、細胞にあるレセプター(受け皿)と結合することで効果を発揮します。
体内にエストロゲンが多い状態でイソフラボンを摂取すると、イソフラボンが先にレセプターと結合して、エストロゲンがレセプターと結合するのを妨げます。
イソフラボンのエストロゲン様作用は、本物のエストロゲンの1,000分の1以下の非常に弱いものです。そのため、ピル服用時などのエストロゲンが多い状態でイソフラボンを大量に摂取すると、エストロゲンの働きが弱まる場合があります。
ピルとの併用に注意するよう記載しているサプリもある
イソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンの働きを強めたり弱めたりする作用があります。そのため、イソフラボンとピルを併用すると、ピルの効果に影響が及ぶ場合があります。
そうした影響を防ぐために、イソフラボンが豊富に含まれている「プエラリア」を配合したサプリメントの中には、ピルとの併用を控えるよう注意書きがあるものや、摂取前に医師に相談するよう記載された製品があります。
ピルとイソフラボンサプリを併用する前に医師に相談
イソフラボンサプリには、濃縮したイソフラボンが配合されています。イソフラボンサプリはピルの効果に影響を及ぼす可能性があるため、ピルと併用したい場合は事前に医師に相談するようにしましょう。
イソフラボンの作用は弱く、サプリメントの摂取目安量を守っていれば影響は限定的です。そのため、特に低容量ピルを服用している場合などは、医師の許可がおりることも多いでしょう。その際は安心して摂取できます。
食事からのイソフラボン摂取は問題ない
イソフラボンは、豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品にも多く含まれています。そうした大豆製品からのイソフラボン摂取は、ピル服用時でも問題ありません。
・ピル服用時の大豆製品の摂取は問題ない
サプリメントのように濃縮されていない大豆製品からイソフラボンを大量に摂取するのは難しく、大豆製品がピルの効果に悪影響を及ぼしたという報告もありません。
ピル服用時であっても、大豆製品は通常通り摂取して構いません。
・イソフラボンはピル服用による血栓症のリスクを低下させる
大豆製品からイソフラボンを摂取すると、ピルの副作用のリスクを低下させる効果も期待できます。
ピルの代表的な副作用として、血栓症のリスクが高まることが挙げられます。ピルは肝細胞を刺激して血液を固まりやすくする成分の生成を促進し、血管が詰まるリスクを高めます。
ピルは血栓が起こるリスクを3-5倍引き上げるといわれています。
イソフラボンには血液中のコレステロールを減少させる作用があり、血液をサラサラにします。イソフラボンには血行を促進する高い効果があり、ピルの副作用である血栓症のリスクを低下させます。
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ピル服用時でも大豆製品は安心して摂取でき、イソフラボンにはピルの副作用のリスクを抑制する作用があります。
ピル服用時には大豆製品を摂取して、健康管理に役立てることをおすすめします。